広報誌みほん
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で、人口の約半分の人々が安心して暮らせる場所を確保出来ていないとも言われている。級制度の中で最下層に当たるそんな中、アイルランドのライオンズは地元インドのライオンズと連携し、農村地帯の貧困層に支援の手を差し伸べた。アイルランド106‐I地区のライオンズは、インド324‐A4地区のアルニ・シルク・シティ ライオンズクブ とラ協力し、女性の自立と、貧困からの脱却を支援。ライオンズクラブ国際財団(LCIF)から四大交付金5万㌦を受け、独身女性や夫と死別・離別した母親を対象に、小規模事業の立ち上げを援助するマイクロエンタープライズ開発プログラムを開始した。LCIFはこのプログラムが女性たちを技術的・資金的に支援し、経済的自立を後押しする良い機会になると期待している。また、アイルランド、インド両国で貧困対策を行う非政府団体もこのプログラムに参加し、独立資金の貸し付けを、最も経済成長の著しい国の一つ、用する女性の多くは読み書きインド。その一方行っている。プログラムを利が出来ず、単純労働や下働きで得た収入で一家を支えている。彼女たちは、インドの階ダリットに属し、通常クレジットカードを持つことが出来ず、ローンも受けられない。このプロジェクトでは、1人に対して2万5千ルーピ (約4万2千円)がローンとして貸し付けされ、25カ月間で1%の利息が適用される。資金の利用方法はさまざまだ。牛を買い、牛乳を売ることで継続的な収入を得る人、ミシンを買いお針子として安定した職に就く人、また、地元に小さな売店を開き、スナック菓子や飲料を売って生計を立てる人もいる。いずれにせよ、経済的独立を果たした女性たちは、自活し教育を受ける新しい人生をスタートさせることが出来た。 アイルランドとインドのライオンズは、あらゆるプロセスで活動を支える。共同委員会を設置し、財政管理や、プログラムの認知活動、ローン受給者に対する事業予算の組み方の指導などを行った。 ルルド・メアリーさんは、モラナムという貧しい村に住む未亡人で、ライオンズのローンを利用した一人だ。電気も無い小さな小屋で二人の子どもと暮らし、農場での日雇い労働で生計を立てていた。今は、ローンで買った牛のおかげで牛乳や肥料を売り、日々の暮らしを構築していけるようになった。 2014年以来、インド、スリランカ、ネパール、アイルランド、ケニアの5カ国で計六つのマイクロエンタープライズ開発プログラムが実施され、LCIFは合計47万5千㌦の交付金を拠出した。それにより1200件のローンが成立、貧困層の女性たちの独立を実現させている。(カッサンドラ・ロトロ)貧困層向けの事業支援ローンは、女性たちを貧困から救い、家族に新しい生活〓をもたらす機会となるLION2017年3月号40FoundationImpact国境を越えて貧困と闘うライオンズ近年

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