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概要

広報誌みほん

十日市場在住で、この養魚場も子どもの頃から知っていたそうだ。ご主人の柴崎利春さんは神奈川県相模原市の出身で、当初は都留市に隣接する道志???村で養魚に取り組んでいた。が、十日市場の湧き水にひかれ、2000年に移住。ちょうど引退を考えていた、当時の養魚場経営者から池を譲り受けた。柴崎養魚場は岩盤の切れ目にあり、そこからは毎分10トンの水が勢い良く湧き出ている。水温は年間を通して約13度と安定しており、その水を池にかけ流し、魚を育てている。「ヤマメは川の水で飼うと、冬場は寒くて餌を食べなくなるんです。でもここは水温が一定で、冬でも餌を食べるため、痩せないんですよ」と、柴崎さん。温かい湧き水の中で暮らすヤマメは、餌をよく食べるため脂ののりが良く、更に川魚独特の臭みもない。育てたヤマメは主に東京や神奈川の料理屋に卸しているが、直接購入することも出来る。◆湧き水を使ったわさび田は、西桂?????町との境界に近い夏狩地区の一番奥にある。1918年の創業から約100年となる菊地わさび園は、約2400坪の土地に100枚ほどの棚田を持つ。周辺は溶岩層で、あちこちから富士山の伏流水が湧き出ている。その量、毎分2トン。水温も水量も年間を通して一定しており、その清冽な水が、棚田の中を流れている。そんな湧き水で育ったわさびは甘みが強く、香りも良い。更に3代目の菊地富美男さんは、無農薬栽培に挑戦。最初は失敗の連続だったそうだが、徐々に病気に強いわさびが育つようになり、収穫も安定。今では無農薬わさびが、菊地わさび園の代名詞となっている。収獲したわさびは、地元の道の駅などで販売しているが、実は菊地わさび園のメインは自家製のわさび漬け。こちらも無添加にこだわり、無農薬、無添加のわさびを作り続ける菊地わさび園の取り組みは、15年の毎日農業記録賞最優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ている。LION 2017年3月号52富士山の湧き水が流れ落ちている、夏狩地区の太郎・次郎滝柴崎養魚場(Tel.090-3221-0304)では注文により、桜の木をいぶして自慢のヤマメやニジマスの燻製も作っている