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概要

広報誌みほん

1月22日、七ケ浜国際村で恒例の正月イベント「あそぶさございん!七ケ浜deお正月」が開催された。「ございん」とはこの地方の方言で「おいでなさい」の意味。「あそぶさございん」は「遊びにいらっしゃい」ということで、書き初めや福笑い、羽根つきなど、伝統的な正月行事や遊びを体験出来るコーナーが設けられ、家族で楽しめるイベントとなっている。主催は七ケ浜国際交流協会(斎藤敏昭会長=七ケ浜ライオンズクラブ)で、ロータリークラブやライオンズクラブなど、町の各種団体が参加協力。会場の七ケ浜国際村は高台にあり、東日本大震災の影響はなかったことから、震災以降も途切れることなく開催され、町民に元気を与えている。七ケ浜ライオンズクラブ(鈴木郁夫会長/19人)はこのイベントに毎年餅つきで参加。今年は7臼分の餅をつき、七ケ浜町特産ののりをまぶした餅やきなこ餅、あんこ餅などを振る舞った。また、会員がつき終えた後、子どもたちにも餅つき体験をさせて、喜ばれている。七ケ浜町(寺澤薫町長=七ケ浜ライオンズクラブ)は仙台湾に突き出た七ケ浜半島を町域としており、江戸時代に基部を横断する形で貞山運河が設けられたため島のような状態となっている。湊浜、松ケ浜、菖蒲田浜、花渕浜、吉田浜、代ケ崎浜、東宮浜と、海沿いに七つの集落があったことからその名が付いたように、海に面した町で、東日本大震災では町域の36・4%が津波で浸水。住宅被害は全世帯の約6割に及んだ。震災前、13・27平方キロだった町の面積は現在、津波の影響により13・19平方キロに減っている。また、北洋漁業発祥の地と言われ、基幹産業となっている水産業も大きな打撃を受けた。そんな中、七ケ浜町では町民の声を大切にし、既存コミュニティーに配慮した復興計画を策定。住宅に関しては、地域ごとに高台への集団移転や災害公営住宅を整備する計画が進められた。震災から6年が経った今年、それらの事業が完了し、この3月をもって仮設住宅が全て閉鎖されることになっている。一方、七ケ浜ライオンズクラブは幸い、震災での人的被害や住宅の損壊はなかったが、多くの会員が事業所など仕事面で被害を受け、震災1年目はゾーン・チェアパーソン経験者らが中心となってクラブの基盤整備に当たった。その後、クラブとして仮設住宅や学校への備品支援、中学生への教材支援、小学生への給食牛乳支援などを実施。震災関連アクティビティの総額は約800万円に上っている。(取材/鈴木秀晃)38LION 2017年3月号東日本大震災復興だよりあそぶさございん!七ケ浜deお正月●宮城県・七ケ浜ライオンズクラブ